夜の９時過ぎ、付けっ放しのテレビが食いたん２を流し始めた頃、オレはキーボードを叩く手を止めた。趣味で立ち上げたサイトは自称「WEBプログラムとDB 構築とSQLとUIの天才(分からない方へ：調子に乗ってるのを感じてください)」であるオレ様が全てを担当するのだからしょうもないサイトになるわけがない。しかしオレ様のできない部分、デザインがどうしてもうまく行かない。センスのいいデザインの路線はとっくの昔に諦めて、使い勝手が良く分かりやすいデザインを目指しているのだがどうも素人臭い。オレが「うーん」と顔を天井を見上げた時、携帯がなった。
「あ、やんさん？彼女と二人で居酒屋で呑んでるから早く来てね！」
呑み仲間からの誘いに生返事を返してもう一度デザインを考え始める。やがて１０時になりテレビは次の番組が始まる。どこにむかっていいか分からない迷走ぶりが秋葉原と同レベルのエンタの神様の見るに堪えない半端芸人達を見てみぬふりをしながら、にしおかすみことムーディ勝山の時間まで堪えしのぐ。ムーディ勝山が歌いおわると同時に部屋を出て自転車を早くこいで居酒屋にむかった。
翌日は友人と競馬にいく予定だった。中山競馬場の近所に住むオレをわざわざ府中競馬場まで呼び付けるとは。中山で開催しているときに集まればいいのになぜ府中開催の時に集まろうとするのか。
自転車で１０分くらいの居酒屋に辿り着く。さし盛り一人前と鯛の兜煮をたのんだ。
喋ってるとごっつい手がかっこいい板さんが席にきた。鯛の兜煮がでかくなってしまうという。
でかい分には構わん！喰う！！来た！！！……でかいな。
新たにご飯セットを頼んでとてもおいしく頂き、最後に店長さんに「鯛の鯛」を洗ってもらい、ポッケに入れて店を後にする。
金運のお守りという鯛の鯛。それは翌日の波乱を暗示していた
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