数年前の文化の日、プチニートをするべくレンタルビデオ屋に行きました。目的のビデオタイプは三つ。
・映画
・連続モノのアニメかドラマ
・アダルトビデオ
ま、独身男の定番ですね。レンタルビデオ屋の前に自転車を止めて店内へ。レジカウンターの中をチェック!レジをやっているのはお姉さんでした。
-ちっ!
やはりうら若き女性の店員からアダルトビデオを借りるのは赤面の至りだったりします。店員がお姉さんしかいないのならしかたないですが、男の店員がいるならやはり同士であるお兄ちゃんにお願いしたいもの。俺は軽い舌打ちをして一直線にアダルトビデオコーナーへ。吟味に吟味を重ねて看護婦さん物を手にとってアダルトビデオコーナーを出ました。カウンターの中を見る。お姉さんが返却ビデオのチェックをしていました。
-ちっ!!
お姉さんは仕事のできる人らしく、そばにいる高校生っぽいお兄ちゃんに指示だしをしていました。オレは映画コーナーに行きました。なんとなくボーっと見ているのにちょうどいいアクション映画は......。ビデオを一つ手にとってカウンターの様子を見ました。お姉さんはまだいました。
-ちっ!!!
最後に連続モノを選びにアニメ(だったかな?)コーナーへ。時間をつぶしているとカウンターのほうから声が聞こえてきました。
「んじゃ、私時間だから。後がんばってね」
-OK!!!!!!
お姉さんが奥に消えるのを確認して、冷静な顔をしてレジへ。カウンターにはお兄さんが一人。
-さぁ、同士よ、オレにアダルトビデオを貸しておくれ!
カウンターにビデオを三本置いて財布から会員カードを取り出してお兄さんに渡しました。お兄さんはバーコードを通すとカードを返してくれました。そしてビデオのバーコードにリーダーを当てました。
ピッ(アニメのバーコード)
ピッ(映画のバーコード)
スッ(アダルトビデオのバーコードは反応なし)
もう一回やっても反応ありません。お兄さんがちょっとあわて始めました。オレとしては お姉さんがレジから離れた安堵感から余裕がありました。
-ああ、お兄さん、ゆっくり構わないよ。
何度やっても反応の無いアダルトビデオのバーコード。アダルトビデオを借りようとしているオレより、作業に手間取っているお兄さんの方が恥ずかしそうです。
-ああ、お兄さん、落ち着きなさいよ。
どうあっても読み取らないアダルトビデオのバーコード。お兄さんは顔を上げました。「○○さん、ちょっとぉ」
-お姉さんを呼ぶなぁ!!
頼りになるお姉さん、すぐ戻ってきました。お兄ちゃんから事情説明を軽く受けるとバーコードリーダーを手にとってアダルトビデオのバーコードが認識しないのを確認、ビデオのタイトル「エロエロ看護婦」の下に書いてあるバーコードの数字部分をレジに手打ちし始めました。お姉さんが俺のほうを向きました。
「ごめんなさい、ビデオが古くてバーコードの印刷が薄くなっちゃってて読み取れなかったみたいです。」
「こっちこそごめんねぇ、エロビデオなのに」
「(にっこりと笑って)いいえ、いいんですよー」
気がつけば後ろにはレジ待ちの行列が.....。
その後、オレがレンタルビデオ屋を変えたのは言うまでもない。