ダンスは新宿の靖国通りにあるジャズバーだ。ちょっとかっこつけて飲みたかった俺はそこでホワイトホースのロックに口をつけてピアノに耳を傾けていた。
雰囲気に酔った俺はこれを待ち受け画面にしたらかっこいいかなと思った
(かっこいいとは別の方向にさっそく走り始めている)
パシャッ。ピアノの音だけが流れる店内に無粋な機会音が響く。
ちょっと暗いな、もう一回。
パシャッ。背中に客の視線を感じるのは気のせいだろうか。
手前にタバコがあったほうがかっこいいな。
パシャッ。店員がいぶかしげにこっちを見ている気がする。
それなりに満足するものが取れた俺は明るさ補正をして待ち受け画面にしてご満悦。
再び静かに飲み始めた俺。金曜日に来たときはバカ騒ぎしている連中がいて雰囲気ぶち壊しだったよなぁ、ゆっくり飲むなら休前日に来ちゃいけないよねと思っているとバーテンが話しかけてきた。(やっと本題です)
四月一日に迷惑防止条例が施行され歌舞伎町は呼び込みがいなくなった。四月二日にツレと歌舞伎町を歩いたときは閑散としていて「この辺も終わったな」と思った。しかし二週間後に歌舞伎町を訪れたときは条例施行以前の活気を取り戻していた。素人目には条例はあまり意味なかったのかなと思っていたが新宿で働くバーテンの目から見るとそうでもないらしい。
・ボブサップみたいな大男の黒人がいなくなった。
条例施行前から「呼び込みは体に触れたら犯罪」というルールがあったのだが
その辺をよくわからない外人は歩いている人の腕を引っ張っていたらしい。
バーテンの推測だと、黒人を摘発するための条例ではないかということだ
・異性がサービスする店(キャバクラ、ホスト、風俗等)の呼び込みから
声をかけられなくなった。
言われてみれば歩きやすくなっているかもしれない。
ホストが女の子に声もかけずに暇そうに
靖国通り沿いでたむろしているのはそのせいか。
呼び込みがなくなることはないだろうというのがバーテンの予想だった。
警察は俺たちなんかよりも「必要悪」を熟知しているだろうから、いたちごっこを繰り返してバランスをとるんじゃないだろうか、と。
それと、このバーテンとしては呼び込みがいなくなってしまうと困るらしい。銀行の夜間金庫に行くとき、街が閑散としていると ひったくり発生確立が格段に高くなってしまうのではないだろうと、呼び込みだろうと何だろうと周囲に人の目があったほうがよからぬことを考える輩は少なくなるだろうと。
立場によって色々な考え方があるもんだと感心しました。
ダンス(http://www.sakumazone.net/schedule/schedule_dance.html)
※笑いが取れてないくせに長い....._| ̄|○