超えてはいけないラインというものがある。何に対してのラインかはオチにまわすとして、オレにとってそのラインの一つにアイロンがけがあった。
飲み会のときに面白いよといわれたので興味を持ってしまった。ドンキホーテで3000円未満だったら買ってみようと思っていたら1500円で買えてしまった。アイロンテーブル?どうせ興味本位だ、そんなもの必要ない!
洗濯物を取り込み、目の前においてみる。アイロンはさっきから蒸気を出していて準備万端だ。さて.....。根性のないオレはとりあえずアイロンがけが関係なさそうな洗濯物にアイロンをかけてみる。
バスタオル。うん、さっぱり分からない。
次!アイロンがけされてようがされていまいが関係ないもの行ってみよう!
パンツ(トランクス)。 ゴムのところがやりにくかった。
思ったよりも面白くないかも。次に手に取ったものはやっぱりアイロンなんぞ関係ないものだった。
下着用Tシャツ。
おおおおおおお!!!くしゃくしゃだったのにピンと張った!アイロンをおいたところから順番にきれいになっていく!おっと首周りがよれよれだ!まかせとけ、きっちり伸ばしてやる!これでもか!これでもか!!これでもか!!!
本命のYシャツになるころには自分なりに要領を覚えた。しわしわだったシャツがきれいになっていく。アイロンをかけた後のシャツと未アイロンのシャツを並べる。俺は今までこんなよれよれのシャツを着て社会に出ていたのか!
夢中になってどんどん洗濯物にアイロンをかけてゆく。楽しかったのである。そして一通り終わってはっとした。
マタ一人デ生キテイク術ヲ身ニ着ケチマッタ....._| ̄|○
違う違う違う!俺の未来予想図は違ったはずだ!アイロンをかけるのは妻にやってもらうことで自分でやることじゃない。会社に向かう朝、玄関で靴を履いた後、かばんを持ってる妻を振り向き「昨日会社の連中に褒められたよ、シャツがきれいだって。いつもありがとうな」といったら妻はちょっと照れた微笑を見せて、かばんを差し出し「いってらっしゃい」と送り出してくれるはずなんだ!(よく「お前は結婚に夢持ちすぎだ」と突っ込まれます)
■一人で生きていけるようになっちゃったなぁと思った瞬間
・TVながらコンビニで買った一人用なべを食べても悲しくなかった。
・帰ったときに部屋に明かりがついてないことを当たり前だと思っていたことに気づいたとき。
・街でカップルを見ても嫉妬しなくなった
オレよ、どこに向かってるんだ.....