ロジパラさんを目指してた!

はてな日記で書いてた頃の冗談日記

3万5千円のベルト

 笑いを取るつもりが、ひょっとしたら読んでくれた人をイラつかせちゃうかもしれない話。

 

 前振りの木曜日

 最近、ようやく着るものを気にかけるようになったオレは木曜日にスーツを買いに行った。雪の予報の中、付き合ってくれたのは二人。友人のAとB子。Aはファッションにくわしいし、今日のお店を紹介してくれたのも彼だ。B子は女性なので女性らしくファッションに敏感だ。オレの買い物に二人が付き合ってくれるなんてオレは果報者だと思う。それは深く感謝したい。

 やっとファッションなるものの世界に踏み込んだオレにはスーツの良し悪しなんて分からない。これはさじを投げているわけではなく自己分析だ。いくつかのスーツを着たが違いが良く分からない。店内にあるスーツはサイズと色以外に、形にも種類があるらしいのだが、オレにとっては微妙すぎてよく分からない。

 試着しながら

「背をちゃんと伸ばして」

「自分が楽な格好じゃなくて人の目にちゃんとしてることを気にしなきゃ駄目だよ」

「電車の中で同じような体型の人がどんな格好と姿勢してるか見てごらん」

などとファッションセンスだけではなく姿勢やオレの意識まで駄目だしされてるが、ファッションを気にせず生きてきた○十年、ここまで言われても仕方がないし、お店までつきあってくれてる友人たちの言葉だ。素直に耳を傾けよう。

 試着したの中に二人が「おお~」といったスーツがあった。周囲にいた店員まで覗き込んで感嘆している。正直オレから見ると、前に来たスーツとの違いは色だけなので首をかしげていた周囲が、それを着ただけで感動するほどの違いはないと思うのだがとても似合うということなのでその深い紺色のスーツに決めた。

 新調するスーツにあわせてワイシャツとネクタイを2セット、さらにベルトを買った。もちろん二人が選んだものである。占めて35,000円。こんなもんかなと思ったらB子に言わせるととても安いらしい。

 その日はさらに二人と合流、五人で怪しいエジプト料理屋で飲んだ。明日、クライアントとミーティングなのでワイシャツとネクタイをしていくことを約束して解散した。

 

 本題の金曜日。

目の前には

 薄いピンクのワイシャツ + トルコカラーのネクタイ。

 白いワイシャツ     + 黒を基調にしたネクタイ。

がある。

 このセットは交差させたら

 × 薄いピンクのワイシャツ + 黒を基調にしたネクタイ。

 ○ 白いワイシャツ     + トルコカラーのネクタイ。

 ということを言っていた。

 薄いピンクのワイシャツはちょっと根性がいるし、黒を基調にしたネクタイではちょっとつまらない。

 ○ 白いワイシャツ     + トルコカラーのネクタイ。

 で行くことにした。

 午前中にクライアントとのミーティングが終わり、みんなで昼飯。ちょっと暗めな店内に少しラメが入っているトルコカラーのデザインが入ったネクタイが光ったらしくAが笑った。それを突っ込むとみんな(5人)が突っ込み始めた。

 

(※)

「背をちゃんと伸ばして」

「自分が楽な格好じゃなくて人の目にちゃんとしてることを気にしなきゃ駄目だよ」

「電車の中で同じような体型の人がどんな格好と姿勢してるか見てごらん」

上着は着ていたほうがいい」

「ワイシャツの腕まくりはやめろ」

 

 昨日の駄目だしに+αされている。オレは基本的に温厚な人間だし、とりあえずみんなオレを思って言いたいことを言ってるようなので受け止めることにする。

 午後からクライアントに場所を借りてミーティング

 ちょっと休憩したときに俺の話になる。

  (※)繰り返し。(ちょっと言葉が鋭くなり始める)

 いい加減、心が痛くなってきたために トイレに席を立つ。トイレから戻り際、クライアントの一人に「今日のネクタイは決まってるね」と含み笑いをしながら言われる。

 苦笑しながらミーティングルームに戻る。話は変わっていなかった。

  (※)繰り返し。(心をえぐるような言葉になり始める)

 オレの中で何かが切れた。オレは本来お笑いが好きである。計算してボケることもあれば、天然で笑いを取ることもある。今回のことは天然ボケで笑いを取っている部類になるだろう。笑いが取れたのは良かったのだが、それも許容範囲ってものがある。それを超えた。K点突破だった。

 周囲の声はもはやアドバイスというよりは「お前にファッションは無理だから こっちの世界に来るな!」と門前払いされている気になってくる。いや、ちょっと敷地内に入ったら「出てけ!」といわれているというべきか。

 もはやオレの防御方法はネクタイをはずすことしかなかった。一人がからかい口調で言った「クライアント先でノーネクタイはまずいよ~」 うるさい。

 「このネクタイくれてやるよ」とそこにいた一人にトルコカラーのネクタイを投げ渡す。選んでくれてたB子の前で。

 そのネクタイは新調するスーツには似合うんじゃないかといわれたが、俺の心にはもう届かない。

 

 そんな気持ちで行った飲み会にテンションがあがるわけもなく、結婚する友人を祝う会を第三者的に見て時間をすごしました。

 火曜日に仕上がってくるスーツも着る気になれません。額にでも入れて「若気の至り」か「チャレンジ(大失敗)」と題名つけて部屋に飾っておこうと思います。

 

 

 結果:結局、木曜日の買い物で使えるものはベルトだけみたいです。

    ベルト一つが35000円.....。 ちょっとお高め(泣)