建前
ケンシロウを阿部寛、ラオウを宇梶剛士、オリジナルキャラのレイラに柴咲コウを配した豪華なキャストでリメイクされた往年の名作「北斗の拳」。
名章として名高いサウザー編が中心に描かれた第一作はマンガではほとんど描かれなかった拳王の軍としての動向やトキの想い、シュウの活動などが描かれている。バトルシーンは圧巻で子供の頃に夢中になって少年ジャンプにかじりついていた感動を思い出させてくれる。
本音
新キャラのレイラは何しに出てきたんだが。
ラオウは解説してるだけで黒王(馬)から降りることさえありません。
北斗三兄弟。やっぱりジャキ様はいなかった事になっているようです(同じような感じでザビ家三兄弟ってのがあり)。
いや、そこそこ楽しめたんですよ。物語がどうとかではなく、スキマから製作側の思惑とかが見え隠れしてて面白かったです。
■興行戦略
俳優に声を当てさせるというのは昔からあるアニメ映画の興行戦略ですね。ひょっとしたら有名な声優を揃い踏みさせるという選択もあるかもしれませんが、この映画のターゲットは秋葉原の方々ではなく、普段はアニメを見ない人々。俳優を使わないとインパクトを与えられないのかな。ラオウの声が軽いとか違うとかいわれてますが、そんなに悪くなかったですよ?小学生の頃、マンガがアニメになったときにキャラクターの声が違うと感じたのと大差がないと思います。
新しいキャラのレイナは本当に何しに出てきたんだか分かりませんでした。新しいキャラを出すってことと、それが綺麗なお姉ちゃんってのは当たり前の戦略ですが存在が浮いてますな。柴咲コウもやりずらそうだったし。
それと頭に数字が書いてある敵を倒しているのを見てパチスロファンサービスねと思いました。
■子供の顔
うろ覚えですが、原作はバットの村とサウザーって関係なかったような....。それをつなげたくらいなんだからこの映画のテーマの一つに未来を託す子供を守るって言うのがあるのでしょう。ですが....全ての子供の顔のデッサンが崩れてて気持ち悪い....。目を大きく書きたかったらしいのですが明らかにおかしい。
■修羅の国
本編の中で主要キャラの何人かがその国の出身ということで「修羅の国」ってキーワードとして出てきます。
マンガではラオウを倒した後、適当な理由をこねてケンシロウが海を渡り修羅の国ってのに行きます。ケンシロウは自分やラオウらが修羅の国で生まれたことを知るのです。
ウィキペディアの北斗の拳項目 少年ジャンプでの連載の経緯欄より
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%96%97%E3%81%AE%E6%8B%B3
「ラオウ編以降は(編集者に言われて無理やり作ったので)あまり覚えていない」
映画の中で「修羅の国」って言葉が出てくるたびにこの文章が頭を巡って感情移入できなくなってました。
....と色々細工していますが「北斗の拳を映画化した」の前には全て吹き飛んでます。
ネットを眺めるとみんなはサウザーがただの悪党になっているのに納得いかないようです。だからサウザーの決めセリフ「退かぬ、媚びぬ、省みぬ 」がとってつけたように感じたのかな?レイナにくだりを入れるくらいならサウザーをちゃんと書き込んだほうが良かったのかー。でもそれはそれで原作からひねりがないとかいわれちゃったんだろうなー
※ところでサウザーの特異体質は実際にあります。
全臓器反転症 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A8%E8%87%93%E5%99%A8%E5%8F%8D%E8%BB%A2%E7%97%87